岩手県盛岡市の中心部から車で約20分。自然に囲まれた森の中の工場で、南部鉄器カラーポットは製造されています。伝統技法による工程の多くは人の手によるもので、熟練の職人により、一つ一つ丁寧に作られています。
南部鉄器の故郷、盛岡では、約400年前から鉄器の製造が行なわれてきました。砂鉄、岩鉄などの良質な鉄資源をはじめ、川砂、粘土、うるし、木炭といった鉄器の原料全てが地元で産出される恵まれた立地にあり、代々の南部藩主の保護のもと、長い年月を経て築き上げられた伝統と、現代まで受け継がれて来た高い技術の結晶が盛岡の南部鉄器です。
茶釜から派生したといわれる鋳鉄製の急須は、その洗練されたデザインと実用性で国内外を問わず多くの人々から愛されています。使い込むほどに豊かにその表情を変える鋳肌の美しさや温かみを帯びた独特の質感には、日本の「詫び・寂び」といった情緒があり、他の素材では表現出来ない南部鉄器ならではの魅力です。